勇知駅

消えゆくダルマ駅:北海道

勇知(ゆうち)駅は、現在「日本最北端の無人駅」となっている。2025年3月まで「日本最北端の無人駅」は稚内に向かって次の抜海駅だったのだが、同駅の廃止に伴い、当駅がそに称号が移管された。

 

基本情報

□駅名  勇知(ゆうち)
□路線  JR北海道 宗谷本線
□所在地 北海道稚内市抜海村
□マップ

□撮影年月 2025年9月

 

旭川と稚内を結ぶ宗谷本線と国道40号は、ほとんどの区間でほぼ並行している。ただ、豊富町と稚内市街の間だけは別の筋を通っていて、勇知はその部分にある町だ。

駅の近くを通る道道510号沿いには商店、郵便局、駐在所、診療所などがある。

駅前から、商店や郵便局がある交差点を見たところ
こちらが駅舎。2025年9月現在、宗谷本線にある5つのダルマ駅のうち4つは、このような金属板で全体が覆われ、荒廃感が緩和されている
右側のドアには「便所」のプレートがある
開けてみるとトイレは現役だった
座布団や「ゆうち」と書かれた背もたれカバーなどがあり、ていねいに管理されていることがわかる
稚内方を見る
名寄方。普通列車は主に名寄行き、通過する特急は旭川または札幌行きだ
数多くの花が置かれている。右の新しめの建物は診療所だ
診療所前に猫がいた
勇知駅から道道510号を少し北上すると、北海道らしい風景が広がる
多数の牛が放牧されていた

2023年の記事「「JR北海道が42駅廃止検討」報道、宗谷本線の駅がごっそり消える?」によると、名寄-稚内間の宗谷本線では、多くの駅が「1日平均乗車人員1名以下」「同1名以上3名以下」で、廃止検討駅の対象になっている。

その中で、すでに勇知-南稚内間にある抜海駅は2025年3月に廃止されたことは前述した。抜海駅についてはこちら。

一方で、勇知駅は廃止検討から外れている。利用者がもう少し多いのかもしれない。普通列車が1日3.5往復(そのほか、3往復の特急が通過)という状況で1日平均3人以上が利用している、というのは“健闘している”と言ってもいいのかもしれない。

 

※「ダルマ駅」とは、使わなくなった貨車(有蓋車、冷蔵車、車掌車など)を改造した駅舎の呼び名の一つ。車輪や連結器などを取り外し車体だけになった様子が、手足のない置物のだるまに似ていることが由来。

 

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