清流新岩国駅

消えゆくダルマ駅:本州・四国

清流新岩国(せいりゅうしんいわくに)は、錦川鉄道 錦川清流線の起点、川西(JR岩徳線との分岐駅)から終点の錦町に向かって、1つ目の駅だ。

 

基本情報

□駅名  清流新岩国(せいりゅうしんいわくに)
□路線  錦川鉄道 錦川清流線
□開業  1960年11月、国鉄岩日線の御庄(みしょう)駅として開業
     1987年7月、国鉄分割民営化により錦川鉄道に移管
     2013年3月、清流新岩国駅に改称
□所在地 山口県岩国市御庄
□マップ

□撮影年月 2025年12月

 

ダルマ駅は普通「貨車を改造した駅舎」を指すが、清流新岩国駅が使っているのは駅舎ではなく待合室だ(同駅に駅舎はない)。

もう一つの大きな特徴は、元になったのがコンテナ緩急車(型式:コキフ)の車掌室部分、という点だ。コンテナ緩急車(“緩急車”とは列車にブレーキを掛ける装置があるもので、車掌車もその範疇)というのはWikipediaで初めて知った。

コンテナ緩急車の写真を見ると、庇(ひさし)のような部位が片方にしかないが、清流新岩国駅の待合室は左右対称で、庇が両方にある。長さもこれより短いようだ。

ということは向きを変えて2つを合体させたのか? 少なくとも室外、室内の中央に合体させたような跡は気づかなかったが…。

 

JR山陽新幹線新岩国駅の改札(2階)から外に出ると、そのまま(地上に下りずに)清流新岩国駅に行く通路がある。ダルマ駅の待合室も見えるのだが、後ろにある小学校の体育館と同じ色なので、写真ではちょっと見分けにくいかも

 

ここまで来れば、形がよくわかる

 

通路は錦川清流線の線路をくぐる形で続いている

 

線路下に、ホームに通じる階段がある。駅舎や改札はない

 

階段をのぼれば、正面に待合室が待っていた。新岩国駅の改札からここまで5分ぐらい

 

ホームの屋根で見えづらくなっているが、入口の上には旧駅名の「御庄駅」の標識がそのまま残っている

 

室内の壁や天井は水色で統一されている。向かい側のドアは開かない

 

逆方向を写す。現在外壁は白地に青帯(新幹線のぞみにあわせた?)だが、2025年6月以前は外壁全体がこのような水色だった

 

室内に飾られていた写真。この場所からだと待合室も列車もいい感じで撮影できるのだが、この場所に行く通路は鎖が張られ、立ち入れなかった

 

錦川方面は、待合室の先にもホームが延びているが、もうここに列車が止まることはない

 

現在は1面1線の駅構造だが、以前はこちらにも線路があり、島型ホームだったことがわかる

 

錦川発岩国行きの列車がやってきた

 

来たのは、清流新岩国駅をはじめ沿線各所にある桜の木をモチーフにした「ひだまり号」。錦川清流線の車両はどれも新型で、ピンク、グリーン、イエロー、ブルーと車体色も多彩だ

 

当駅を発車した列車は山陽新幹線の高架をくぐり、次の川西でJR岩徳線に乗り入れて岩国まで行く

 

※「ダルマ駅」とは、使わなくなった貨車(有蓋車、冷蔵車、車掌車など)を改造した駅舎の呼び名の一つ。車輪や連結器などを取り外し車体だけになった様子が、手足のない置物のだるまに似ていることが由来。

 

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