津軽半島の中央部を縦貫する津軽鉄道。毘沙門(びしゃもん)駅は、起点の津軽五所川原から4つ目の駅だ。鉄道林に囲まれた秘境感漂う駅だが、隣には高齢者施設があり、駅の南側を通る道は意外に行き交う車もそこそこある。
毘沙門という地名が駅名の由来と思われるが、なぜこの名前がついているのか確固たるいわれはわからない。戦国時代の武将「津軽為信」が、北の方角を守るといわれる毘沙門天を、この地に祀ったからという説もある。
基本情報
□路線 津軽鉄道
□開業 1931年(昭和6年)開業
1941年(昭和16年)休業
1955年(昭和30年)営業再開
□所在地 青森県五所川原市大字毘沙門字上熊石113-2
□マップ
□訪問年月 2023年6月
県道36号から西方向に分岐する小路を約100m進むと踏切がある。このまままっすぐ進めば国道339号に突き当たる
踏切の南側は五所川原方面。隣の駅は津軽飯詰だが、以前は下岩崎という駅があった(1944年:昭和19年に廃駅)
踏切の北側に、毘沙門駅がある
ホームは1面1線。津軽鉄道は全区間単線で、非電化だ。両サイドを鉄道林に囲まれ、駅が自然と同化している
地吹雪など青森の厳しい気象現象から鉄道駅を守る鉄道林の看板。看板右手奥に見える階段を上ると、木のベンチが置かれた休憩コーナーもある
駅名標。「毘沙門」には、楷書体の書体がよく似合う
ホームの北端からの眺め。どこまでもまっすぐ続く線路は、見ていて気持ちがいい
ホーム北端から南方向を撮影。右手の待合室は、2013年に地元有志の方々により建て替えられている。換気用の煙突がでているので、冬場はストーブを炊くのだろうか
しぶい駅名看板のかかる待合室
床以外、すべて木造りとなっている。右手の壁向こうに畳敷きの部屋があるが、立ち入りはできない。上下線とも1日8本の列車が通る
待合室に悪いものが入らないように威嚇するねぶた。最高にかっこいい。ひたい中央の飾りが目玉焼きのようにみえるのはご愛敬
2022年「かっこいい駅名ランキング」において、堂々の1位を獲得
東京在住の高齢女性が書いた、りんごのお礼状が掲示されている。礼状のお手本のようなあたたかな内容で、だれもいない待合室に人のぬくもりを感じさせる演出だ
ピクチャーウインドウが眩しい
まもなく下り列車がやってくる。ホームにでて待とう
踏切のカンカン鳴る音が聞こえてくる
踏切直前でファ~ンと小さな警笛が鳴る。毘沙門駅にはすべての列車がとまるわけではなく、いま近づいてくるのは通過列車だ
夜になれば、ソーラーライトにねぶたの絵柄が浮かび上がるのだろうか