尾幌駅

消えゆくダルマ駅:北海道

花咲線(根室本線の釧路駅-根室駅間)にある尾幌(おぼろ)駅は、メルヘン調イラストのペイントが目に焼きつく、記憶に残る駅だ。上掲写真はホーム側から撮したもの。

こちらは駅前から。側面のイラストは両方ほぼ同じだが、動物の配置が少し異なっている
車体前後面も動物の顔の位置がちょっとだけ違う。こちらの面の上部には「安全運転者 ○○○○」というプレートが付いているがどういう意図だろう?

 

貨車を転用したダルマ駅は、開業当時からの木造駅舎や、しゃれたデザインの新設駅舎に比べて見た目はぐっと見劣りするが、このようなペイントが気安くできる点はいいと思う。

釧網本線の美留和駅のイラストは小学生たちが描いたものだが、こちらのはこういう絵を描き慣れた人のもののようだ。だいぶ錆が出てきているのがちょっと残念

 

基本情報

□駅名  尾幌(おぼろ)
□路線  JR北海道 根室本線
□所在地 北海道厚岸町尾幌
□マップ

□撮影年月 2022年9月

 

駅近くを国道44号(釧路~根室)が通っていて、コンビニ、ガソリンスタンド2軒、駐在所、郵便局、厚岸町尾幌酪農ふれあい館などもあり、駅周辺は“町”の形をなしている。ところが「1日平均乗車人員3名以上10名以下」に分類され、別当賀とともに“廃止検討駅”とされている(「「JR北海道が42駅廃止検討」報道、宗谷本線の駅がごっそり消える?」)。廃止を検討するのは、乗車人数だけで決めるわけではなさそうだが、尾幌はなぜ対象にしたのだろうか。

室内。椅子があって利用者ノートがあるところはほかと変わらない。左奥に穴が開いていた跡があるのは、ストーブの煙突があったのだろうか
列車は上り7本(ほか通過1本)、下り6本(ほか通過2本)。これは2022年9月当時のもので、その後1本減っている
釧路方
根室に向かう列車で、何も知らずにこの風景が目に飛び込んできたら「おおっ!?」と思うだろうな

 

 

 

※「ダルマ駅」とは、使わなくなった貨車(有蓋車、冷蔵車、車掌車など)を改造した駅舎の呼び名の一つ。車輪や連結器などを取り外し車体だけになった様子が、手足のない置物のだるまに似ていることが由来。

 

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