陸中夏井駅

消えゆくダルマ駅:本州・四国

陸中夏井(りくちゅうなつい)は、八戸(青森県八戸市)と久慈(岩手県久慈市)を結ぶJR八戸線の駅で、2025年現在、北東北唯一のダルマ駅だ。

 

基本情報

□駅名  陸中夏井(りくちゅうなつい)
□路線  JR東日本 八戸線
□開業  1930年(昭和5年)
□所在地 岩手県久慈市夏井町大崎
□マップ

□撮影年月 2025年6月

 

東北新幹線、青い森鉄道線との接続駅である八戸(はちのへ)を起点とする八戸線は、八戸市中心部を抜けたあと、ずっと海岸近くを走る。そして終点の久慈に近づいた陸中中野から内陸に入り、峠を越えたところに陸中夏井駅がある。周囲は久慈市中心部から続く住宅街だ。

(国土地理院)
駅舎の元になったのが、貨物室(左半分)と車掌室(右半分)が混合した「有蓋緩急車」(記号:ワフ)。貨物室の開口部、車掌室のデッキ、の2つの通路を通ってホームに行ける

 

貨物室の開口部から入ると待合室がある。かなり大きく窓を作っているのは、北海道より寒くないからだろうか。車両横幅いっぱいに置かれたベンチの配置がとてもいい

 

車掌室側には向きの違うベンチがある。車掌室のデッキに出るドア(鍵がかかっているので通れないようだ)には、融雪剤と思われるものがかかっている。さすが北国

 

ホームから貨物室側を見る。白い柱は切符回収のものだと思うが、何も書かれていない

 

車掌室側には、なんと手動でブレーキをかけるハンドルが残っている。この駅舎の元になった「有蓋“緩急”車」とは、ブレーキをかける装置が付いている有蓋(屋根のある)貨車を指す。貨物室がない「車掌車」もブレーキが付いているので「緩急車」の一種と言える

 

隣駅が八戸線の終点久慈。その先は三陸鉄道リアス線につながっている

 

八戸方面。この先は侍浜駅を経て陸中中野駅まで内陸部を走る

 

※「ダルマ駅」とは、使わなくなった貨車(有蓋車、冷蔵車、車掌車など)を改造した駅舎の呼び名の一つ。車輪や連結器などを取り外し車体だけになった様子が、手足のない置物のだるまに似ていることが由来。

 

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