根府川駅が開業した当初は、国府津(こうづ)から熱海までの熱海線に所属する駅だった。開業の翌年1923年(大正12年)に起こった関東大震災により土石流が発生。根府川駅はちょうど進入してきた下り列車とともに、海に流されてしまう。
駅は翌年に再建されたが、当時のホームの残骸などは今も海中に眠っている。
1934年(昭和9年)に沼津に通じる丹那(たんな)トンネルが開通し、国府津から沼津までの現在のルートが完成したことで、根府川も東海道本線の駅に変更となった。
基本情報
□路線 JR東日本 東海道本線
□開業 1922年(大正11年)
□所在地 神奈川県小田原市根府川109
□マップ
□訪問年月 2021年12月
ホームのすぐ向こうは相模湾
4番線のホームから、小田原方を望む。写真右手はすぐ崖で、その下を国道135号が走っている
駅の西側もすぐ崖になっていて、高い場所に住宅が並ぶ
2面3線のホーム。左から4→2番線となる。1番線は貨物専用だったが、1970年頃撤去された
2つのホームは跨線橋でつながり、海とは逆の西側にある改札に通じている
跨線橋から2・3番線ホームの熱海方を望む。ちょうど上り電車が進入してきた。列車の右側にある空間が、かつての1番線の跡だろうか
熱海側のホームの先に、線路の分岐点がある。その先で線(路盤)路の色が少し変わっているのが見えるだろうか。この部分は鉄橋で、根府川駅とともに歴史を刻む白糸川橋梁だ
自動改札機を通過する。改札機の向こうに券売機も見える。無人駅には券売機がないところもあるが、根府川には設置されている
昭和の小学校のような、腰板に木枠の窓がある待合室
待合室には大正生まれの詩人「茨木のり子」さんの「根府川の海」が掲示されている。茨木さんは帝国女子医学・薬学・理学専門学校薬学部を卒業されているが、なんとわたくし、同校を前身とする大学の附属中高に通っていた。今回初めて知った事実に少し驚く
根府川駅を正面から撮影。跨線橋と同じく駅舎の色も南国の海を思わせるミルキーブルーだ
駅の横には別棟のトイレ
改札の向こうに、「おだやかな相模の海よ」と詠われた相模湾が広がる
根府川駅は、1999年(平成11年)、「関東の駅百選」に認定された
季節柄、赤いカンナは咲いていなかったが、アロエ?の赤い花が咲いていた
改札正面に並ぶ植木鉢は、地元の方が世話をされているのだろうか
跨線橋の両壁はアイボリーに塗られている
どうやら野猿が出没するらしい
2・3番ホームにある待合室
駅名の由来は、かつて存在していた根府川村から(おそらく)
新しい駅名標が少し周囲から浮いている。こうやって少しずつ、新しいものに置きかわっていくのだろうか