抜海駅(廃駅)

宗谷本線の抜海(ばっかい)駅は1924年(大正13年)6月開業。ちょうど100年目を過ぎた翌年の2025年3月に廃止され、7月から8月に駅舎が解体された。上掲の写真は解体後、更地になった状態。

ほぼ同じ場所を撮した解体前の駅舎。開業時からの建物を改修しながら使用していた(写真:まりこげ/写真AC)

 

基本情報

□駅名  抜海(ばっかい)
□路線  JR北海道 宗谷本線
□所在地 北海道稚内市抜海村
□マップ

□撮影年月 2025年9月

 

宗谷本線の稚内、南稚内は有人駅なので、廃止前は「日本最北端の無人駅」であった。廃止後はその南にある勇知(ゆうち)駅がその称号を受け継いだ。

勇知駅についてはこちら。

 

駅名標などは外されている(盗まれたのではないと思うが)
立入禁止のロープがあり、ホーム跡には入れない
ホーム側からの風景は、通過列車から撮すしかない
廃止前の駅構内。2024年までは2面2線の列車交換可能駅だった(写真:まりこげ/写真AC)

 

抜海駅(跡)は、道道510号(抜海兜沼停車場線)から100mほど入ったところにある。周囲には個人宅が1軒あるだけ。抜海の集落や漁港、海岸は2km以上離れている。

抜海駅への分岐点近くには「抜海駅百周年記念之碑」がポツンと建っている

 

1970年(昭和45年)ごろ、北海道の多くの駅は多くの乗降客でにぎわっていた。そのころを覚えている住民にとっては、駅がなくなることに大きな寂しさを感じることだろう。

百周年の記念碑を作ることにしたのと、駅の廃止が決まったのと、どちらが先かはわからない。ただ、駅舎が撤去され更地になった駅跡地を見ると、この記念碑があることが「にぎやかだった駅の記憶」をこの土地にとどめることに大きく貢献していると感じた。

今から100年後、周囲と同じような草に埋もれてしまった記念碑を、だれかが発見することになるのだろうか。

 

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